安心の滅菌環境

~当院では「スタッフの家族に胸を張って紹介できる環境」を目指し、すべて患者さん一人ひとりに対して常に清潔な環境で安心に治療を行っています。~

目次

01.滅菌とは

滅菌とは「すべての微生物を殺滅し、無菌性を成立させる工程」と定義されています。具体的には、付着している微生物を100万分の1にまで殺滅させることを意味します。微生物とは、一般的な細菌をはじめ、結核菌・真菌・ウィルスなどが全て含まれ、滅菌とはこれらすべてを死滅させることができる、もっとも強力な方法です。
滅菌方法には、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)が代表的で、他には乾熱滅菌やガス滅菌などがよく知られていますが、歯科医院などでは、一般的にオートクレーブによる滅菌が一般的です。

02.滅菌と消毒の違い

滅菌以外に、殺菌・消毒・抗菌といった言葉がありますが、どんな違いがあるのでしょうか?下の表をご覧ください。

滅菌 細菌・ウィルスを含む全ての微生物を完全に死滅させ、無菌化すること
殺菌 一部の菌を殺すこと。殺菌薬が接した部分の菌にしか効果がない。
消毒 微生物の数を減滅させること。完全な無菌化ではない。
抗菌 細菌やウィルスの増殖を阻止すること。菌が存在する可能性はある。

03.歯科医院における滅菌の重要性

歯周病の原因となる細菌

歯科治療は、常に細菌との戦いです。むし歯も歯周病も根の治療も全ては細菌を可及的に除去することが治療の目標です。使用する器具は当然滅菌されて菌が存在しない状態でることが非常に重要になります。
また、抜歯やインプラント治療では出血を伴う処置であり、血液を介して細菌やウィルスが感染するリスクがあります。そのため、同様に器具が滅菌された状態であることは不可欠となります。
無菌的な処置を行えば行うほど、歯科治療の成功率が高まるだけでなく、感染リスクが下がるだけでなく、腫れや痛みなども少なくすることが可能です。

当院ではできる限り、「自分の家族や友人に胸を張って勧められる治療体制」を目指して、できるだけ患者一人に対して、滅菌したものだけを使用するように取り組んでいます。

04.滅菌の流れ

  • STEP1
    使用したすべての器具をひとつひとつ洗剤を用いて手作業で洗浄します。
  • STEP2
    超音波の力で、目で視えない細かい汚れを落とし洗浄します。
  • STEP3
    洗浄の終わった器具を滅菌パックという特殊な包装材で丁寧に包装します。
  • STEP4
    包装した器具をオートクレーブに入れ、135℃で約1時間滅菌します。

05.歯科で滅菌するべき器具

歯科医院で滅菌するものは下記のようなものがありますが、医院によって消毒レベルで済ましている器具もあるようです。当院ではほとんどの器具をできる限りオートクレーブで滅菌するか、使い捨て(ディスポーザブル)の器材を使用しています。

一般的な歯科医院 当院
基本セット(ピンセットやミラーなど) 滅菌 滅菌
外科器具 滅菌 滅菌
歯を削るバー アルコール消毒 滅菌
歯を削るためのドリル アルコール消毒 滅菌
風や水をかける先端部 アルコール消毒 滅菌
縫合のための針 滅菌して使い回しor使い捨て 使い捨て
手術時のガウンや布 布製を滅菌して使い回しor使い捨て 不織布製の使い捨て
器具を置くトレー 金属製を滅菌して使い回し 紙製で使い捨て
滅菌パック

滅菌しているかどうかは、器具を使用する際にブルーのパックから開けているかどうかですぐにわかります。滅菌する際は、必ず滅菌パックと言われるブルーのパック(片方が透明ブルーのシート、片方が紙)にいれて滅菌します。滅菌したものは、使用する直前で開けることが原則ですので、滅菌パックから器具を取り出していたら安心していただいて大丈夫です。

各個人用に滅菌されたドリルやバー、超音波器具

また、よく診療テーブルの上にバーや綿などを常備しているクリニックもありますが、実はあのような設置の仕方で仮に滅菌していてもその効果はなく、むしろ細菌が増殖する可能性があるので、最近では否定されています。当院ではなるべく診療テーブルにはものはおかずに、患者さんごとに下に引くシートを交換していますので、ご安心ください。

06.クラスB滅菌器と普通の滅菌器との違い

クラス別滅菌機対象物と滅菌機
ヨーロッパ規格 EN1306に基づくクラス分類

歯科で使用する医療機器にはドリルなど中空構造のものが多くあり、その内部までの滅菌することは、クラスBという最高レベルの滅菌機でしかできません。当院では、クラスBの滅菌器をフル稼働させて、患者さんのお口の中で使用する器具はできる限り全て滅菌しています。

07.ディスポーザブルとは

いわゆる使い捨てのものをディスポーザブルといいます。上記の表でも出てきましたが、できるだけ血液が付着するようなガウンや針やメスなどの刃物類については、仮に滅菌ができたとしてもそのもの自体が劣化しますので、当院では全てディスポーザブルのものを使用しています。

08.エアロゾル対策

歯科では、歯を削ったり歯石を取る際にエアロゾルという飛沫が発生し、その中にウィルスなどの微生物が存在する可能性があります。
そのため当院ではできるだけ口腔外バキュームや空気清浄機を設置して、エアロゾル対策を行っています。

09.当院の滅菌の特徴

  • できる限りすべての器具を消毒ではなく滅菌しています。
  • 滅菌器には最高レベルのドイツ製クラスB滅菌器を2台導入しています。
  • 外科処置で血液が付着するようなものは、できる限りディスポーザブル(使い捨て)のものを使用しています。