マウスピース(アライナー)矯正

大人の歯の矯正治療
<マウスピース矯正(アライナー矯正)>
インビザラインやクリアコレクト※に代表されるマウスピース矯正(アライナー矯正)は比較的新しい矯正治療法で、従来のワイヤーを使用する矯正治療よりも目立ちにくく、不快感・異物感が少ないのが特徴です。しかし、適応をしっかりと診断する必要があり、診断を誤ると綺麗に歯が並ばないことや、ワイヤー矯正よりも治療期間が長期になることがあり、矯正歯科専門医による診断・施術が不可欠です。

※インビザライン(invisalign®︎)やクリアコレクトはマウスピース型カスタムメイド歯科矯正装置ブランドのひとつです。
※当院ではインビザラインやクリアコレクトをメインに使用しています。

目次

01.概要

マウスピース(アライナー)矯正とは、ご自身で取り外し可能な透明に近いマウスピース型の矯正装置「アライナー」を使って歯を動かす矯正治療です。ワイヤーを使用する矯正装置と比較すると、普段通りに食事や歯みがきができ、見た目を気にすることなく治療を受けていただくことが可能です。

02.治療の流れ

  • 初診
    ①問診票の記入
    一般的な問診票と矯正のための問診票を記入していただきます。
    ②検査
    お口の中全体を診察し、歯並びや咬み合わせ以外の問題が無いか確認します。また、お口の中・お顔の写真、CT を含むレントゲン写真の撮影、口腔内スキャナを用いたスキャンを行います。
    ③カウンセリング
    矯正担当医が矯正担当医が診察し、歯並びや咬み合わせでお困りのことを確認し、患者さんにとって最適な矯正方法をご提案いたします。
  • シミュレーション結果のご連絡
    アライナー矯正では、資料を提出するとAIがシミュレーションを行い、患者さんに合った治療法と治療期間を提案してくれます。 当院では、治療期間や治療前後のシミュレーションの画像をLINEで患者様にご連絡させていただいております。(*1週間ほどお時間をいただきます。)
    もちろん、実際にお越しいただき患者様にご説明することも可能ですが、ご希望をお伝えいただければとも思います。
  • むし歯の治療や親知らずの抜歯
    虫歯の治療や親知らずの抜歯が必要な場合は、矯正治療の前に治療いたします。当院は総合病院であるため、矯正以外の治療も当院で行うことが可能です。
  • お支払いとマウスピースの発注
    マウスピース矯正による治療に同意を頂けましたら、マウスピースの発注に先立って治療費をお支払いいただきます。(*デンタルローンもご用意しておりますので、分割払いなどについてもお気軽にご相談ください。)
  • マウスピースのお渡し
    2〜3週間ほどでマウスピースが届きますので、マウスピースをお渡しいたします。
  • 経過観察・IPR・アタッチメント付与
    マウスピース矯正は、2週間ごとにマウスピースを交換しますが、その交換のタイミングで、IPR(歯と歯の間を削ってスペースを作ること)やアタッチメント(歯を動きやすくするために歯の表面につける突起物)を付与することがあります。このタイミングは、患者様によって異なりますので、治療開始の時点でご説明いたします。また、経過観察時にクリニーングも行いおますので、適切なタイミングでご案内いたします。
  • 治療結果の確認
    規定の枚数のマウスピースが終了した時点で、治療結果についての確認を行います。その時点で、もう少し気になる部分がある場合は、そこからさらにマウスピースを追加して、矯正治療を継続することも可能です。(*1回の追加治療に関しては、費用はかかりません)
  • 治療完了・保定・メンテナンス
    治療が完了したら、保定用のマウスピースを装着していただきます。治療完了後も継続的にメンテナンスの通院をオススメしております。

03.治療費・お支払い方法

部分(前歯4本以内)

275,000円

軽度(前歯6本以内)

550,000円

中等度(小臼歯を含む)

880,000円

重度(大臼歯を含む)

990,000円

※IPR・アタッチメント付与・保定装置料が含まれます。
※調整・観察料として3,300円がかかります。
<お支払い方法>
■窓口にて現金でお支払い
■クレジットカードでのお支払い *使用可能クレジットカード:VISA, Master, JCB, AMEX, Diners
■デンタルローンでのお支払い
*医療費控除については、担当医とご相談ください。

04.当院が選ばれる理由

  • ①日本矯正歯科学会認定医が在籍しているので、適切な治療診断を行います。
  • ②総合歯科だから、矯正以外の治療も同一医院内で完結します。
  • ③世界でシェア1位・2位のインビザラインとクリアコレクトを使用しています。
  • ④最先端のCTや口腔内スキャナで検査や治療期間中の不快感がありません。
  • ⑤患者さんに最適な治療を提案し、不必要な治療はお勧めしません。

05.原理

マウスピース(アライナー)矯正で歯が動く原理は、基本的にはワイヤーを使用する矯正治療と同じで、歯に力を加えることにより、歯を支えている骨が一方では吸収され、反対側では添加され、その結果、歯の位置が移動するためです。この移動を起こす力を、アライナーで加えるのか、ワイヤーで加えるのかの違いです。 アライナー矯正では歯並び・かみ合わせの精密な情報を口腔内スキャナーで記録し、それを元に目標とする歯並び・かみ合わせをコンピュータ上でシミュレーションします。

最初の歯並びから目標とする歯並びに向かって、少しずつ形が違うアライナーを、1日20時間以上、1〜2週間ごとに次の段階のアライナーを順番に装着することによって、歯を移動させる力が加わり、歯が動きます。
アライナーの力がうまく歯に伝わるように、歯の表面に白い突起(アタッチメント)を着けることがほとんどです。アタッチメントはむし歯を削った後に埋めるのに使われる白いプラスチックと同じ材質・色で出来ており、ほとんど目立ちません。

また、ストリッピングやIPRと言って、歯を適切に並べるためのスペースを作るために歯と歯の間を1本あたり約0.5mm以内で歯の幅を小さくしながら治療する場合もあります。上の歯と下の歯の前後的な問題を治すためにアライナーや歯の表面につけた突起の間に取り外しのゴムを掛けてもらうこともあります。

06.ワイヤー矯正との違い

マウスピース矯正 ワイヤー矯正
見た目 ほとんど目立たない 表側に装着する場合は透明の装置で白いワイヤーでも多少目立つ 裏側にワイヤーを装着する場合は見えない
痛み コンピュータ制御により1枚のアライナーで歯が動く量が決められており、歯に掛かる力が制御されているので、歯が動くときの痛みは軽度 歯に掛かる力が均等ではないので、比較的強い歯の痛みや、装置によって頬や舌が傷つき、口内炎のような痛みが生じることがある
清掃性 アライナーを外して、食事・歯みがきできるので、清掃性に優れる 装置を着けたまま、食事・歯みがきをするので、清掃性が悪いので、普段以上に丁寧に歯みがきする必要がある
治療期間 ほとんど差はない
治療費 施術料 50〜78万円 68〜110万円
調節料 4〜6週ごとに¥3,300円(税込) 3〜4週ごとに¥5,500円(税込)
適応範囲 症例によって適応とならない場合がある 広い
患者自身の協力の必要性 患者自身でアライナーを取り外しするため、患者自身の協力に頼る割合が大きい 歯の移動は矯正科医が管理するので、患者自身の協力に頼る割合は少ない

07.メリット・デメリット

メリット
  • 目立たない
    アライナーは透明に近いプラスチックで出来ているので、矯正治療をしていることを周囲に気づかれにくいです。
  • 取り外せるので衛生的
    お食事の時や歯みがきの時に取り外せるので、普段通りに衛生管理ができるので、むし歯や歯周病になりにくいです。
  • 異物感が少ない
    ワイヤーを用いた矯正治療に比べて異物感が少ないので、装置に慣れやすく発音への影響が少ないです。
  • 痛みが少ない
    アライナー1枚あたりの歯の移動量がコンピュータ制御されているので、ワイヤーを用いた矯正治療に比べて痛みが少ないと言われています。
  • 金属アレルギーの心配がない
    装置の材料に金属が含まれないので、金属アレルギーの方でも安心して矯正治療が可能です。
デメリット
  • 患者さんご自身で管理しなければならない
    アライナーを患者さんご自身で取り外しを行い、1日あたり20時間以上装着することが推奨されています。装着時間が足りない場合、予定通りの歯の動きが達成されません。
  • 不得意な動かし方がある
    装置の特性上、奥歯が沈みこみやすいため、前歯の重なりが大きい(過蓋咬合)場合の矯正治療が不得意と言われています。また、歯のねじれ(捻転)を治すのも時間がかかります。

マウスピース(アライナー)矯正が向く歯並び・かみ合わせ

マウスピース(アライナー)矯正が
向く歯並び・かみ合わせ
  • 親知らず以外の歯を抜かなくても良い程度の歯のでこぼこ(軽度の叢生)
  • 歯と歯の間の隙間(軽度の空隙歯列)
  • 前歯が噛み合わないケース(前歯部開咬)
  • 上の奥歯を後ろに動かす必要があるケース(軽度〜中等度の叢生、軽度の前歯部の前突)
マウスピース(アライナー)矯正が
向かないケース
  • 親知らず以外の歯を抜いて前歯を引っ込めるケース(中等度〜重度の前歯部の前突)
  • 前歯のかみ合わせが深いケース(過蓋咬合)
  • 大きく捻れている歯を治すケース

08.治療のリスク

むし歯・歯周病
矯正装置を装着することで、歯磨きが難しくなり、むし歯や歯周病になる可能性があります。むし歯や歯周病になりやすい方や、上手く歯を磨けていない方は、矯正治療とは別に歯科衛生士によるメンテナンスを受けることを推奨しています。
歯ぐきが下がる
歯を動かすことで、歯の周囲の歯肉(歯ぐき)が下がって、歯の根が露出したり、歯と歯の間の隙間が目立つようになったりする場合があります。なるべく、そのようなことが起こらないように治療計画を立案しますが、もともと歯のでこぼこが著しい場合などは起きやすいです。見た目が気になる場合は歯周病専門医(歯肉を扱うスペシャリスト)と連携し、改善を図ることも可能です。
歯の根が短くなる
歯を動かすと歯の根(歯根)の一部が吸収されます。多くの場合は、問題となることはありませんが、もともと歯根が短い方や、通常よりも歯根が吸収されやすい方では問題となる場合があります。その際は、治療目標の変更を考慮する必要もあります。
顎の関節の症状
歯を動かしている間、一時的に咬み合わせが不安定になることがあります。それに伴い、顎の関節に負担がかかり、口を開けると音が鳴る、痛む、口が開けにくいといった顎関節症の症状が起こる場合があります。多くの場合は、治療が進み、咬み合わせが安定すると改善しますが、顎関節症の治療を要する場合もあります。
歯が動きにくい・動かない
歯の動きやすさには個人差があります。また、非常に稀ですが骨性癒着といって、歯が周りの骨と固着して動かない場合もあります。これらは治療前の検査で予測することが難しく、“動かしてみて分かる”ことも多いです。その際は、治療期間の延長や、治療目標の変更を考慮する必要もあります。